【歯科医監修】口臭の発生率が高い人とは?さわやかな息を保つ方法
知らず知らずのうちに、相手を困らせてしまう「口臭」。自分ではなかなか自覚できないため、不安になってしまいますよね。この記事では、口臭発生率のたかい病的口臭(虫歯や歯周病による口臭)について、その原因と対策をお伝えしています。口臭の気になる人はぜひ参考にしてみてください。
2024年12月17日掲載
この記事の監修者
越智 英行(おち・ひでゆき)
医師(歯科・日本口腔外科学会 認定医・日本外傷歯学学会 認定医)
昭和大学歯学部卒業。東京女子医科大学病院(歯科口腔外科)入局後、昭和大学大学院歯学研究科(臨床系歯科麻酔科学)修了。同大学歯学部全身管理歯科学歯科麻酔科助教を経て、コンパスメディカルグループ「医療法人社団コンパス」の常務理事に就任。患者さんのQOL向上に寄与し、患者さんが笑顔になれる様な治療を心がける。歯学博士。日本口腔外科学会認定医、日本外傷歯学会認定医。
コンパス内科歯科クリニック赤羽
https://www.compass-dc.jp/akabane/
病的口臭とは
虫歯や歯周病による口臭のことを「病的口臭」といいます。
虫歯がある方や歯周病の方は、そうでない方と比較すると、口臭が発生する確率がとても高くなります。
自分では気づかない口臭ほど、悩ましいものはありません。発する息が、とても嫌な臭いであることを自覚することなく会話してしまうので、相手は困った状況に置かれてしまいます。
息を止めたり顔の向きを変えたりと、会話ではなんとか工夫をして凌ぎますが、一緒に食事に行こうとは誰も思わないでしょう。そして突然、他人から「口が臭い!」と告げられるとショックを受けてしまいます。
このような状況に陥らないためにも、「口臭」と「虫歯や歯周病」の関係は知っておかなくてはなりません。
原因1. 細菌
病的口臭の原因は細菌によるもので、虫歯や歯周病になるまでに、すでに歯垢(プラーク)や歯石が溜まっています。
歯垢や歯石は細菌の固まりであって、口臭の原因菌でもあるのです。
虫歯や歯周病にならずとも、歯垢や歯石があるだけで口臭を発することになります。
原因2. 虫歯や歯周病
そして、症状がさらに進行して虫歯になると、虫歯の穴の中に食べカスが溜まってしまい、口臭が酷くなります。痛くないからと虫歯を放置しておくと、口臭はさらに酷くなっていきます。
歯周病についても同様で、初期の歯周病では痛みを感じないため、歯周病の自覚がない方がほとんどです。
その結果、歯周病を放置することになり進行していきます。この間も歯垢や歯石はそのままなので、口臭を放っています。歯周病が進んでいくと歯ぐきに膿がたまり、さらに口臭が酷くなります。
このように、
- 虫歯や歯周病になると口臭が発生する
- 虫歯や歯周病になっていなくても、歯垢や歯石があれば、知らないうちに周りに口臭を放つ
ことになります。
病的口臭を予防・改善する方法
口臭を防ぐためには「予防歯科」が重要であり、虫歯や歯周病にならない ”健康な口腔内” を保つことが欠かせません。
虫歯や歯周病になっているかは、痛みがないと自覚することは難しいでしょう。
ですから、口腔内のケアを目的に、歯科クリニックで診察してもらうことをおすすめします。
周囲から「口が臭い!」といわれる前に、「自分は大丈夫かな?」と診察してもらうと安心できます。口臭で悩んでいるときは、歯科クリニックで相談しましょう。